9月のある日、スーパーの菓子売り場でひときわ目を引かない地味なスナック菓子を見かけた。何と、白地に赤だけの1色刷り。まるで給食に出てくるおやつみたいだ(そんなの出たことないけど)。
あまりの地味さに「新製品か?」と思って手に取ると、それはなんと、子どものころから慣れ親しんだあの≪かっぱえびせん≫ じゃないか!
カルピーが作ったバッタもんかっぱえぴせんかと思って製造者を確かめたら、ちゃんと「カルビー」の「かっぱえびせん」だった。
一体どうした?何が起こったんだ?といぶかしく思ったら、1色刷りにして浮いた印刷費用と売り上げの一部を東北の子供たちの支援に回すということだった。 ムダを省いて被災した子供を助けるとは、エコかつヒューマンなすばらしい企画だ!えらいぞ、かっぱ!
思えばかっぱは、もともとは尻子玉を取って食う(食わないか?)恐ろしい妖怪だったにもかかわらず、いつの間にかお茶の間のアイドルになった殊勝な妖怪だ。
偉いお坊さんの子分になって文句を言いながらインドまでついていったり、奥さんにお酌してもらって陽気に日本酒を飲みながらよその美人にポーっとしたり、ただのダメおやじっぽいところを愛されキャラに転嫁したその技は、さすがというしかない。
そんなかっぱがニンゲンの子どもたちの役に立とうと、身を削って(?)繰り出した企画がこの「かっぱえびせんTHE給食バージョン」(勝手に命名)だ。泣かせるじゃないか。これは応援しなければニンゲンがすたる。
というわけで、いろんな食べ方に挑戦してみた。
まずは「かっぱうどん」
これはとても簡単。うどんにかっぱえびせんを散らすだけ。しかし絵ヅラが地味すぎる。ねぎくらい乗せればよかった…。
想像した通り、カップめんのたぬきうどんと大差ない味だ。すぐ溶けてグズグズになってしまうので、散らしたらすぐ食べるべし。
次は「かっぱサラダ」
これもクルトン代わりにえびせんを散らしただけ。
悪くないとは想像できるけれど、思ったよりいい。これは日本人の口に合う。簡単に見た目と味に変化がつけられるのでお勧めだ。
でもやっぱり「これ」かな
あれこれ食べ方を考えるうち、ついうっかりビールに手が行ってしまった。やっぱり最終的にはこれが一番じゃなかろうか。 かっぱの心意気にかんぱーい♪だ。
なお、あまりの地味さ加減で
かえって売り上げが落ちたのか、パッケージはすぐもとに戻ってしまった。 がんばれ、かっぱ。めげるな、かっぱ。私は今日も応援しているぞ。 |