今年はいつまでも寒くてサクラの開花が遅かった。ものすごく遅かったように思うのだけれど例年よりも5日遅れというから、それほどでもないか。北の方、高いところだとまだこれから開花だ、というところもあるだろう。
通勤電車の車窓から満開の桜が見られるようになったのも、すっかり入学式シーズンだった。おかげで、満開の桜のもと入学した新入生、社会人マナー研修をしている新入社員も多かったのではないだろうか。
そう、春と言えば入学式、入社式、蔵開き、はじまりの季節だ。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、会社、役所、そういや司法研修所も4月が入所式だった。冬の寒さを耐えて一斉に花が咲く、夜より昼が長くなる、水道が凍る心配をしなくて済むようになる(一部地域を除く)この季節は、≪生命力≫みたいなエネルギーに充ちていて、新しいことを始めるのにもってこいの季節なのだ。
どこぞの大学ではこれから9月入学にするらしいが、「晩夏に入学式」というのはいかがなものだろう?(9月は「秋」じゃない。「残暑」「晩夏」だ!)
世界的に仲間外れ、グローバルな国際人を養成するなんてお題目をまるきり無視して、純粋に≪気分≫で言えば、残暑厳しいおりの入学式なんて気勢が上がらないことこの上ない。サークルの勧誘だって、夏バテでゲッソリしている鉄道同好会やらさわやかに見えて汗臭いラグビー部に勧誘されて、すすんで入部したいと思うだろうか。この「逃げ出したい感じ」はよくない。せっかくの入学式なのに全くウキウキ感がない。
そう、モノゴトを始めるのにウキウキ感は大事だ。あんまりウキウキしてよく知りもしない○○先物取引とか○地金とか○毛和牛などに手を出すと、残念な結果になる可能性があるので、そのあたりのサジ加減は注意が必要だが、気分としてはゴキゲンでいるに越したことはない。
そして、何を隠そう私もこの春めでたくデビューを果たした!
≪≪≪遠近両用めがね≫≫≫
近眼の度が進んでメガネを作ろうと眼科に行ったところ、検眼してくれた技師さんはこう言った。
「遠近両用にした方がいいですよ。その方が絶対楽です。今はよくても2〜3年後には必ず両用がよかったと思うはずです。」
━━━━とうとう来たか!!!((((((((((゚∀゚))))))))))━━━━━
もともとド近眼であらゆるものがボヤけており、近いところも遠いところも等しく「見えない」ため、分からなかった。いや、ホントはちょっと自覚していた。見えるはずの近くを見るのに、焦点が合うまでビミョーに時間がかかるのだ。どうやら「遠近両用めがね」というのは、この時差を一気に解決するものらしい。
「遠近両用」というと、もうその語感だけでめっきり年老いた感じがするが、それでも「○○デビュー」なんてムチャクチャ久しぶりだ。次はいつ、何で「デビュー」できるか分からない。つか、そもそも「デビュー」することがあるのか?この際だからめいっぱいウキウキと盛り上がっておかねば。
というわけで、さっそくムダに盛り上がり、奮発してべっ甲(柄のセル)とメタルフレームの2種類を作った。遠くを見るときはレンズの上の方、近くを見るときはレンズの下の方で見るのだそうだ。階段を下りるときはあごを引いて、とメガネ屋さんの指示はなかなか細かい。
そして、メガネ屋さんは教えてくれなかったが、忘れちゃならないのは「メガネをはずす」方法だ。超近くを見るときはメガネをはずすことになるが、ここでおでこに乗せるか、手に持つか、そこらへんに置くか。綿密な調査(30秒ほどぼんやり考えた)の結果、ここはやはり「手に持つ」がよいと分かった。
まず、おでこに乗せると、落とすか乗せてることを忘れるかのどちらかだ。「メガネどこおいたっけ?」と探している人を思い出してほしい。概算4割はおでこにソレらしき物体が乗っているハズだ。そして、そこらへんに置くのは、自宅や職場ならいいが、いつもやっているとそれがクセになっていけない。電車の中や飲み屋、市役所、本屋、デパート、郵便局、水族館、警察署、病院、発電所、くわ畑とどこでも置いてしまって、忘れてくることになる。(ま、少なくとも私の場合はきっとそうなる)メガネ屋さんでメガネを置き忘れて来た日にはどうだろう。想像するだに恐ろしい。
というわけで、やはり「手に持つ」が正解だ。右手に新聞、左手にメガネを持ち、左側のメガネのツルを口にくわえれば完璧な「ナイスミドル」のでき上がりだ。これなら両手を使いたくなったらヒナにえさを運ぶツバメのようにメガネを口にくわえればよい。メガネをなくさず、かつ両手も使える。引っ掛かりのないメガネのツルをくわえるのは結構たいへんだから、口輪金、笑筋、頬筋も鍛えられてナイスミドルに磨きがかけられる。まさに一石三鳥ではないか!
ん?とすれば、真の正解は「口にくわえる」か。よし、これからの標準はこれで行こう。全日本メガネ推進協会にも提案しようっと。
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