今、わたくしは、週2回、日焼けマシンに入って肌を焼いている。1回10分(1080円)で、1ヶ月程度続けると十分黒くなるので、相当強烈な紫外線だ。日焼けするのは、筋トレしているからで、黒いほうが筋肉のキレがよく見えるからだ。競馬場のパドックで馬を見ると良く分かるけれど、白い馬と黒い馬がいれば、同じ筋量でも黒い馬のほうが筋肉隆々に見えて、白い馬はボヤーっと見えてしまうので、人気面でも多少差がつくことになる。ということは、マッチョコンテストでも黒いほうが有利ということだ。
日焼けは、日焼けサロンではなく、通っているゴールドジムのタンニング(日焼け)ルームでやっている。マシンは、ベッド型と縦型があるが、わたくしはベッド型のほうが好きだ。というのも、理論上、腕を上げていないと、脇の下が焼け残ってしまうので、10分間ずっと両手を挙げているのであるが、縦型だと捕まった宇宙人みたいなカッコでずっと立っていなければならず、大変に疲れる上に(筋トレ後だし)、なんか情けなくなるからだ。
そういうわけでベッド型を愛用しているのであるが、これはいわば巨大棺桶みたいな箱である。フロントで貰ったコインを入れ、フタをギギーと空けて内部に横になり、もちろん鍵などかからないのだが、誰かが外で「ヒヒヒ、もう出られないよ。」とか言って、ガチャンと閉じられたらどうしよう、みたいなことを毎回考え、そうしているうちにブーンと音がしてライトが点灯する。
それで皆さんご存知ないと思うが、基本的にタンニングは素っ裸で実施するものである。そうでないとパンツのところだけ焼け残っちゃうでしょう。そして、上からも下からも紫外線の強力なライトが当たるので、日光浴と違ってひっくり返る必要がない。だが、やはり全身ムラなく焼きたいので、横になったり、うつぶせになったり、足を上げたり、いろんな格好をすることになる。
作動中のマシンの内部は強力なライトが点いており、ファンで風は通るものの、大変暑い。ということは汗もダラダラかくことになる。するとご想像どおり、大変おぞましい感じだが、うつぶせ時には、ある人体の一部の近辺も汗でニチャニチャになってしまう。んが! そんなことは言ってられないのだ! 日焼けマシンとはそういうものなのだ! 美黒バンザイ! とか言ってる間に10分が経過して機械からピーピー音が鳴り響き、あれほどまぶしかったライトがぱったり消えて、静寂が訪れる。
わたくしは、マシンのフタをあげて、ニチャニチャの身体をヌルヌルと外に出し、「フヒー」とか言いながら汗を拭き、部屋に置いてあるクリーナーとペーパータオルでマシンを綺麗にする。意外なことに使った人が自分で清掃するのだ。もちろん、入ったときよりも清潔にして出ることを心がけている。「みんながそうしてくれる」という信頼のもとに成り立っている美しいシステムだ。
どうせすぐシャワーを浴びるので、パンツ一丁でドアから首だけ出し、キョロキョロと確認してから、ロッカールームに駆け込む。そして、パンツ0丁になって、再び「フヒー」とか言いながらシャワーを浴び、サッパリとして帰途に着くのだった。
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