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コラム・弁護士

 
   

鼻と鼻の下

清水 淳子

2024年8月

弁護士 ・ 清水 淳子

スーパーで牛乳やキャベツや大根を買い、チャリンコで家路を急いでいたら、あと50メートルというところで道幅いっぱいの宅配トラックに遭遇しました。これは避けられんとチャリのまま後ずさってよけたら、バランスを崩して自転車ごとコケ、全身打撲の軽傷を負いました。受け身らしい受け身ができないせいで腕や足があざだらけに。でもなぜか1週間で分からないくらいになりました。

どうも!意外な新陳代謝能力に自画自賛中のシミズです。

 

今回は1週間程度で分からなくなったが、数年前に駅ですっ転んだときは10日くらい歌舞伎の悪役みたいな顔になった。

忘れもしない錦糸町の駅だ。あ、違った御徒町だ(誰か「忘れとるやん!」と突っこんでくれ)。

ホームへの階段を上っていると、電車がホームに入ってきた音が聞こえてきた。「あれに乗りたい!」と急いで階段を上ったところ、走りなれないうえに上り階段だったため、お約束と言わんばかり顔から階段に突っ込んだ。あまりに勢いよく転んだことで手に持っていたカバンが階段にばらまかれ、周りにいた仕事帰りの紳士淑女の皆さんがカバンやメガネを拾いつつ「大丈夫ですか」と声をかけてくれた。顔も膝もたいそう痛かったが、「大丈夫じゃない」などと答えると親切な紳士淑女の方々に救急車を呼ばれかねない空気だったので、「大丈夫です」と答えて立ち上がった。

(痛ぇよぉ〜…)とヨロヨロしながらホームに上がると、なんと、電車はまだホームに止まっていた。こんなに大騒ぎしながら何食わぬ顔して電車に乗るのもナンだな、とちょっと思ったが、せっかくなので乗りこんだ。大丈夫ですかと声をかけてくれた紳士淑女たちは電車に乗り込む後ろ姿に「なんと丈夫なおばちゃんなんだ」と思ったことだろう。「意外に丈夫なおばちゃん」として帰宅するころには忘れる程度に薄く心に刻みつけられたに違いない。

なお、鼻は無傷だったにもかかわらず鼻の下を擦りむいた。これは小学校低学年のころと同様だ。銀行の駐輪場で車止めの鎖を飛び越えて遊んでいたとき、わずか20センチばかりの鎖を飛び越えられず、顔面から地面に突っ込んだのだ。あの時も今回と同じく鼻は無傷だったのに鼻の下をすりむいて、唇も切って鼻と口からダラダラ流血した。どうもシミズの顔は鼻より鼻の下がすりむける構造になっているらしい。

友達に伴われ銀行に駆け込み(迷惑なガキ…)、やさしい窓口のお姉さんに鼻の下にばんそうこうを貼ってもらって帰った。心温まる思い出である。

なお御徒町転倒事件のあとは、目の下、頬の中央から耳、口の周り、の各箇所に線上のあざができて、絵にかいたような隈取(くまどり)顔になった。弱っちい助六か弁慶みたいな弁護士がしばらく人目を避けて仕事をすることになったのだが、なぜそうなったのかは分からない。めんどくさいので「人体の不思議」ってことにしておこう。

 

さて、御徒町で転倒したシミズは、「大丈夫です」と見栄を張ったが、新宿駅で転倒した若者は素直だった。

ズコッ(目の前でコケる若者)

シミズ「大丈夫ですか?」

若者「…ダイジョバナイです」

すぐに「ダイジョウブデハナイ」という意味だと分かったが、日本語の進化を目の当たりにして、負傷した若者が気になりつつも、ミョーに感動してしまった。そのうち国語辞典の「大丈夫」の用法に

「−(ダイジョ)ばない」具合が悪い。不安であるさま。

などと載る日が来るかもしれない。

ちなみに若者は通りかかった医療関係者の手当てを受けていたので、たぶんその日のうちに帰宅できたと思う。見た限り鼻も鼻の下も無事のようであった。さすが若者。

 

モノごころついたころから運動神経がよかった試しのないシミズだが、小学生のころなど、一緒に遊ぼうと誘ってくれる心優しい友達のおかげで、校庭や公園やその辺の原っぱ、まぁたいていは家の周りの道路で、かくれんぼをしたり鬼ごっこをしたり、単に走り回ったりして過ごしていた。今思えば貴重な外遊びの経験だった。

ちなみに、小学2年生の子を持つ親に「外で遊ばせよう」というメッセージを1日2回送ったら、送っていない親の子よりも子供の近視の進行が遅くなったという研究報告がある (https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2796425)。ガッツリ近視のシミズではあるが、外遊びしていなかったらもっと近視が進んでいたハズなので、遊んでくれたお友達に感謝せねばと思った。

きっとお友達は、適当に加減しながら走ってくれていたと思うが、シミズの身体能力では彼/彼女らのペースに合わせるのは少々無理があった。そのため、足がもつれて転んだり、塀から飛び降りて足をグキッとさせたり、ヒイラギの生垣を潜り抜けようとしてセーターを破いたり、窓から出ようとしてお尻から落ちたり、一人だけ外遊びのサバイバル度が高かった。だいたいはひざ小僧をすりむくので、ひざ小僧かさぶた保有率は200日/年くらいだっただろうか。それに比べれば鼻の下かさぶた保有率は1〜2日/年程度なので、頻度から言ったら少ない方だ。が、鼻かさぶた保有率は0日/年なので、「1か0か」の違いは大きい。やはり何らかの構造上の問題が幼児期から存在したといえるだろう。

 

さて、大人になってそもそも転ぶことが減ったので、鼻の下かさぶた保有率は0.4日/年といったところだが(まだあるんかい)、これを0日/年にするにはどうしたらよいのだろうか。または鼻かさぶた保有率を0.5日/年以上にする、でもいい。いや、そんなにしょっちゅう転びたくはないので、やっぱ鼻の下かさぶた保有率0日/年を目指したい。さて、どうしたものか。

  • いつ転んでもいいように、常に手を前に出して歩く。
    何だかゾンビみたいだし、だんだん猫背になりそうなので、却下。
  • 転んだら着地する前に横を向く。
    そんな反射神経あったら、鼻の下なんかすりむかんわい(怒)!
  • 前に転ばないように重心を後ろにかけて歩く。
    いや、後頭部から転んだら脳挫傷とか頭蓋内出血とか、もっと怖いわ。
 

どうもいいアイデアが浮かばない。誰か思いついたらゼヒ教えてほしい。

 

まー、そろそろ「転んで骨折」「くしゃみして骨折」を心配しなければいけないお年頃でもあるので、「すり傷程度ならば上出来」と甘受して、堂々と顔から転びに行ってもいいかもしれないけどね。

次にシミズを見かけたときに鼻の下にかさぶたを作っていたとしても、「あー、また転んだのかー」とナマ暖かく無事を祝ってほしい。

 

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