自己紹介にも書いたが日弁連の委員会でIT関連の部会に所属している。そうすると通常業務とは別に、PCに向かう、あるいはインターネットにアクセスする時間が増える。たいがいは「インターネットでの○×の状況を調べよう」とか「ネットで○×が可能か?」などのちょっとした調べ物だ。
あるときふと、インターネットで自分の名前を検索してみた。
「弁護士 清水淳子」
この事務所のホームページに、日弁連、第二東京弁護士会あたりがヒットするだけだと思っていたが、何やらよく知らない人物紹介サイトにもヒットした。
「えぇっ!?ワ、ワタクシですかぁ?」
どう考えても著名な弁護士ではない自分がわざわざ取り上げられているとは、何ともくすぐったい。ちょっとドキドキしながら見てみると、特に有名人でなくとも無作為に人物紹介されているサイトだった(なるほど)。「有名人じゃないけどよく引っかかるのでページを立ててみた」というところだ。どうやら、誰かがインターネットを監視していてページを立てるのではなく、勝手にウェブを観察して、勝手にページを作り、勝手にその人に関連する情報を集めて表示しているらしい。すごいプログラムがあるものだ。
それにしてもそんなに引っかかるのか、私?
プロフィールは確かに私。ホームページの弁護士紹介が引用されている。でも明らかに私なのはそこだけだ。
「つながりの強い人」がずらずら並んでいる。俳優さんだったり、大学の先生だったり、野球選手だったり、実にそうそうたる立派な方々だ。でも、知っている人は、
一人としていない。
私の親兄弟、同僚、恩師、友達はいったいどこに行ってしまったのか?そこにいる立派な方々と私はいったいどういう関係なのだろう?
「地名」の第1位は「木屋町」だ。 ……………………どこ?(木屋町のみなさんごめんなさい)
調べると、なんと松山市。松山なら昨年日弁連のシンポジウムで行ったよ!松山城や坂の上の雲ミュージアムや子規記念博物館や道後温泉を満喫したよ!でも、木屋町は通りかかりもしなかったよ!
結局「清水淳子」に縁のある場所は、1位から4位すべて「行ったことがない」場所だった。
かろうじて5位は横浜市で、行ったことはあるけど、裁判所に行くだけ。仕事関連なら新宿や霞が関がダントツなハズだ。
いったいこれらの場所に何の縁があるのだろう?
このページ、以前はその人の属性が円グラフで示されていた(今はなくなってしまったみたいだ)。
そのときのシミズの属性は以下の通り
法律家…1/3、女優…1/3、スポーツ選手…1/3
「女優」ですよ、「女優」!おぉ――――――――――――――っほっほっほ♪
いやぁ、自分でもそんな気がしてたんだなぁー。やっぱりそうだったか―。
なワケない。 芝居をみるのは好きだけれど、舞台に立ったことは学芸会以来1度もない。
また、私は自他共に認める運動オンチだ。ボウリングでは50台をたたき出し、ミニゴルフでは200台で回った。逆だったら素晴らしいのにと思う。その私に向かって「スポーツ選手」って、新手の嫌がらせか?
かくしてそこに紹介されている「清水淳子」は「女優」と「スポーツ選手」の顔をもつ私の全く知らない「清水淳子」だった。
よく「自己心理分析」とか「自分を見つける○×」とかで、「あなたは本当は努力家です」などと言われて、「うそつけー」と思うことはよくあるが、これほど全然知らない人、行ったこともない土地ばかりを指摘されると、今ここにいる自分は実は世をしのぶ仮の姿で、本当の自分の魂は木屋町の地上80センチくらいのところを漂っているではないのかと思えてくる。
もしかして明日になったら「本当の自分」に目覚めて、下北沢あたりで発声練習しているかもしれない。
インターネットと珍しいプログラムのおかげで私の知らない私を発見し、ヒトには無限の可能性があることを改めて認識したシミズでした。 |