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コラム・弁護士

 
   

幻のベストボディ弁護部門断念記

鈴木 周

2020年9月

弁護士 ・ 鈴木 周

わたくし、今年のベストボディは9月21日(月)の宇都宮大会から始動致します。宇都宮なので、応援団は大挙して来られないのですが、10月に東京で「ジャンル別弁護士大会」という職業別大会があったので、「それじゃこれに出て、応援に来て貰うか。ついでに関弁連の潜入記事も書こうっと。」と思って、すっかり参加するつもりになって、関弁連あてのリード文まで書き上げました。選手兼記者として潜り込んで、あわよくば優勝して、応援団にもカッコいいところを見せたい、という魂胆でした。

んが! このコロナ禍で、どの大会も盛り上がりが欠けているようで、全国最激戦区の東京大会ですら、ゴールドクラスの参加者が5名しかおらず、会場も浜松町のニューピアホールから東大和市体育館に都落ち(東大和ごめん)という有様になってしまいました。「これは…、ジャンル別弁護士大会なんてヘタすりゃ参加オレだけ。桜井君(後輩)誘っても2人だけで予選もなにもなく両名とも日本大会進出って可能性大だな…。全然盛り上がらないし、記事にもなんなからやめよう。」ということで、断腸の思いとまでは言わないけれど、残念な気持ちで参加は取り止めることになりました。

それで、せっかく関弁連あてのリード文を書きましたし、内容は「結構よく書けた。満足。」という出来でしたので、勿体ないからコラムに載せることと致します。

来年以降、実際に出場する折には、多少アレンジしてまた使います。

 

幻のベストボディ弁護部門断念記〜 みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。 どなたもご存知ないことと思いますが、私は昭和の若い時分から筋肉美の追求に努めてまいりました。といっても、昔は割とみんなそうだったように、プロテインも飲まず(高いから、あと当時のはマズかった。)、ジムにも行かず(面倒だから、あと当時のジムは怖かった。)、理論もなにもなく我流で毎日腕立て腹筋や鉄アレイ等をやるばかりでしたので、肉体はどんどんブルースリー化し、「ううむ、やればやるほどムキムキじゃなくてスジスジになっていくぞ。ま、でも、これもいいか。」などと、それなりに満足したまま漫然と約30年以上も続けてきました。

それが、3年ほど前に、一念発起して自宅近くの〇ールドジムに入会したところ、まあいるわいるわ、さすが〇ールドジム、恐竜みたいなマッチョがゴロゴロしておりました。とはいえ、わたくしはフレンドリー親父ですので、すぐにみんなと仲良くなり、コーチからアドバイスを貰って鍛えているうち、だんだんと肉体も大きくなってきたのです。それで、昨年、「今年で50歳になるし、シニアクラスに出られるようになったから、ちょっとコンテスト出てみるか。」と思い立ち、ベストボディジャパン(要するに細マッチョコンテスト)のゴールドクラス(50歳以上の部。シルバーでないところがよい。)に出場してみました。このコンテストは、マッチョの登竜門的な位置づけで、参加者も多く、日本最大級と言ってよいと思います。実際にこの大会から始めて、世界レベルになった選手も沢山います。毎年春から秋にかけて全国約50か所で地方大会が開催され、各大会上位2名に年末の大一番、日本大会への出場権が与えられます。 私は、幸い地方大会は突破できたのですが、日本大会では大惨敗という結果に終わりました。地方の公立高校がなんかの拍子に甲子園に出てしまったものの、一回戦で天理高校あたりに10対1で負けた(それでも一点とった)、みたいな感じでしょうか。日本大会では、全国から猛者が集まって来たのですが、「オマエ、それ、細マッチョじゃないだろ…。てか、普段仕事何やってんの?」というような選手ばかりで、その中に入れると私ではバルク(筋量)の不足が顕著で、ちょっと勝負にならなかったという感じでした。ですが、この惨敗で「このままでは終わらんぞ!」と決意を新たにし、次年度に向けてモチベーションが喚起され、その意味では丁度良い結果であったとも言えます。

それで、冬の間に沢山食べて(食後のデザートに卵ごはん食べるとか)、10s体重を増やし、その分ハードに筋トレして筋肉も増やし、春先に「さて、今年はどの地方大会から出ようかな?」と思い、立派なお腹をポンポンしながらサイトを見ていた時、「ん、なんだ? この『ジャンル別大会』って?」と、今年からジャンル別が新設されたことに気が付いたのです。

「プロスポーツ部門、インストラクター部門、消防士部門、自衛官部門…って、職業別なのか…、あとユーチューバー部門、看護師部門ってなんじゃこりゃ? あ、ドクター部門に弁護士部門もある! 10月18日って時期も丁度いいし、これ出よう!」ということで、出場を決意したのでした。

それで関弁連の西岡編集長に、「面白そうだから潜入取材してくるよ。」という話をしたところ、「おお、いいですねえ。是非寄稿してください。」、「ていうか一緒に出ようよ。半年あれば間に合うよ。予選落ちしたらしたで記事になるし。」、「いや、それだけは勘弁して下さい…。代わりに、N〇K筋肉体操の彼に声かけてみましょうか。きっと盛り上がりますよ。」、「…それじゃライバルが増えちゃうだろ。余計なことせんでよろしい。」というような実に男らしくない理由でライバルの参入を排除し、結局単独で潜入することになったのでした。

普通、こういうマッチョ大会レポートは、引率の理事者が現場で取材し、「鈴木君も健闘したが、ややバルク不足が否めなかった。来年に向けて真摯に練習に励んで欲しい。」とかなんとか書くものですが、弁護士会にはボディビル部などないので、引率もヘッタクレもなく、選手兼記者として行くほかありません。

それにしても、ジャンル別は今年が初めてなので、どんなレベルになるのか、全く見当が付きません。プロスポーツ、消防士、自衛官などは、さぞやハードなマッチョが集うのだろうな、ということは容易に想像できますが、有力選手がそっちに分散する分、弁護士部門は手薄か? という気がしないでもないです。が、問題は年齢別が撤廃されて無差別級になることで、普段は50歳以上の部に出ている私も、若いマッチョ弁護士に混じって戦う必要が出てくるため、一概に有利になったとも言えません。そう考えると、大事務所の20代若手など、いかにもイキのいい選手がいそうです。

なので、果たして私のようなオジサンがどこまで通用するか分かりませんが、頑張って中年の意地を見せつけてまいります! 

参戦記といいつつ、大会まだなので、以下次号。悪しからず。〜

 

 

 

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