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コラム・弁護士

 
   

わたくしとお米

鈴木 周

2021年9月

弁護士 ・ 鈴木 周

わたくしは、群馬県藤岡市の出身なのですが、4つのときに新潟県の長岡市に引越し、11歳のときに新潟市に引越し、18歳で上京するまで、新潟で暮らしていました。なので、群馬県民という意識は全然なく、ほとんど新潟県民といった認識で、高校野球なんかは新潟代表を応援しますし、サッカーだってアルビレックス新潟のJ1復帰を念じております。

もちろん、大昔から、お米と言えばコシヒカリです。コシヒカリ原理主義者と言ってもいいでしょう。ちなみに、群馬には「ゴロピカリ」という半ばヤケ気味な名称のお米がありますが、食べたことはありません。雷となんか関係あるんでしょうか。

わたくしが子供の頃は、山形の庄内産ササニシキも幅をきかせており、「ササコシ戦争」なんていう言葉もありましたが、いつのまにかササニシキは姿をくらまして、コシヒカリが天下を統一してしまいました。現在の炊飯器の水量の目盛りはコシヒカリを基準に作られているそうです。フン、当然だろ、コシヒカリは最高だからな。

実際のところ、特に南魚沼産コシヒカリの新米は、炊き上げるとツルツルのピカピカ、お釜の中で白い兵隊さんが直立不動で待機しているようで壮観です。翌朝まで保温してもちゃんと美味しいのがいいですねー。と、そのように長い間思っておりました。40年位でしょうか。

しかーし! 奢る平家は久しからず。別にコシヒカリが奢っていたわけでもないでしょうが、やはり40年もたつと、世の中いろいろと進化を遂げるものです。そういや、昔は葡萄と言えば、種無し葡萄(今のデラウェア)、種あり葡萄(と言われていた。キャンベルと言うのかな。とにかく酸っぱかった。)、巨峰(これは金持ちもしくは贈り物でないと食べられなかった)の3種しかなったのに(実際にはあったろうが、一般人の口には入らなかった)、今はもうなんですか、シャインマスカットだの、高尾だの、種無巨峰だの、もう全然ついて行けません。しかも、すごく美味しくなってる。皮ごと食べられるし。

あと、梨もそうですね、昔は、長十郎(小っちゃくてガスガスしてた)と二〇世紀(芯のとこがすごく酸っぱくて、これはこれでよかった)しかなかったのが、今は豊水だの幸水だのあって、巨大化したうえに含水率が高くて、オマケにすごく甘くなって、とても美味しくなってるでしょう?

わたくしとお米ちょっと脱線しました。最近までコシヒカリ原理主義者だったわたくしは、スーパーでお米を買うときには、いつも迷いもせず魚沼産コシヒカリ(5sで3000円弱くらいでしょうか)を買っておりました。が、昨年のある時たまたま、お米コーナーで、「あきたこまち」や「つやひめ」(ササニシキの後継なのか?)なんかが並んでいる中で、北海道の「ゆめぴりか」というお米が目について(2540円だったと思います)、「たまには違うのも食べてみっか。いつも美味しいお米じゃ舌が慣れちゃうしな。」なんて思って、全然期待もせず買って帰って晩御飯に炊いたのです。

そしたら、一口食べて、「ゲ、なんじゃこりゃ。抜群にうまい。ご飯がスターみたいに輝いてる。『ゆめぴりか』って、そういう意味? てか、これご飯じゃないみたい。」と驚愕したのです。で、驚いたのは翌朝で、保温していたお米は、だいぶヘンテコ化するものですが、「ゲゲッ、劣化してない。とまではさすがに言わんが、劣化度合いが全然低い。まだまだ全然美味しい。この米すごい。」と感動したものでした。

今はあんまり容姿なんかに例えちゃいけないんでしょうが、コシヒカリがギャラの高い大物ベテラン女優(吉永小百合さんとか?)ならば、ゆめぴりかはデビューしたて13歳の宮沢りえさんみたいな感じでしょうか。

なにしろ、コシヒカリより400円安いんです。それですごく美味しいんです。実際、そう思っている人は大変多いらしく、いなげや府中天神町店では、大抵ゆめぴりかは品切れですが、コシヒカリはいつも積んであります。品切れのときは仕方ないので、2sのを2つ買って帰ります。

しかしわたくしはずっとコシヒカリ原理主義者だったものですから、はいそうですか、とすぐ若手に乗り換えるようなことは致しません。ちゃんと納得いくまで比較して、コシヒカリにサヨナラを言おうと考え、女房にも相談して「お中元でセレクトギフトを貰ったから、南魚沼産コシヒカリ10sを頼もうと思う。それで、ゆめぴりかと比較して最終判定をしたいと思う。」と宣言し、ハガキを書き送ったところ、この8月7日に自宅にコシヒカリが届いたのです。よく考えると、スーパーのゆめぴりかと、お中元で貰った最高級コシヒカリで公平な比較になっているのか疑問もありますが、この時期ですもの、新米のコシヒカリではないということで、一応バランスが取れていると考えることにしましょう。

それで、その日は、特に丁寧に研いで、心を込めてコシヒカリを炊きました。そしたら、さすが最高級品、炊きあがりはお米も全員直立不動、ピカピカと素晴らしい出来でした。が、なんとなーく、ちょっと色艶がマットな感じもしますね・・・。食べてみて、「ああ、これこれ、美味しい・・・。とても美味しいのは間違いないんだが、こう、なんか、驚きはないな・・・。」と言ったところ、女房も同じ感想でありました。

ちなみに、翌朝になってみますと、これはこれでかなり頑張っている方ではありましたが、マット度合いがさらに高まり、「まあ、ちょっと美味しい定食屋のご飯くらいの感じかな・・・。」と言った感想を持ちました。

とまあ、長いこと引っ張って参りましたが、もうこれは微妙な差とか、あるいは好みの問題とかではなく、かなりはっきりと「ゆめぴりか」の勝ちと言っていいです。10対8くらい。原理主義者としては残念ですが、どんな王者も、陥落するときがくるんです。むろん、コシヒカリが衰えたのではないんです。王者を実力で凌ぐニュースターが出てきたんです。お米不毛の地と言われ続けてきた北海道の農家の皆さんと北大の先生(なのか)の頑張りを称えるべきです。

なにしろ、安くて美味しいんですから、わたくしは、これからはずっとゆめぴりかを買い続け、売り切れの時には「それじゃ今回はコシヒカリ」という消費行動にでることと思います。

コシヒカリよ、長い間わたくしの人生を支えてくれて、本当にありがとう。あなたはとても素敵でした。ずっとずっと忘れることはないでしょう。と、お礼を述べたところで本稿を終えたいと思います。

 

 

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