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コラム・弁護士

 
   

わたくしと疑問

鈴木 周

2010年4月

弁護士 ・ 鈴木 周

本来、今月頭にリニューアルした事務所のことを書くべきなのだとは思うが、それじゃ面白くないので、いつもどおり業務とは全く関係ないことを書こうと思う。

今回は、わたくしがこれまでずっと思ってきた疑問の数々を紹介したい。中にはネットで調べればすぐに分かるようなものもあるが、あえてほっといてある。秘密は秘密のままに、とかいうとなんだかシャレた感じだが、もうずっと疑問のままなので、このまま解けずにいても一向構わないというか、むしろ解けないで欲しいというような気持ちだ。

その1 旅館の浴衣は寝ている間になぜほぼ全裸になってしまうのか?

これは大学に入って以降のことだから、もう20年来疑問のままだ。もちろん、パンツは履いているので、「ほぼ全裸」というのは少々大げさだか、要は「ほぼ全裸みたいな気分になるのか」ということだ。これは誰しも疑問に思ったことがあるはずだ。「そんなのオマエだけだ。」という意見もあろうが、そんなのは無視して先に進む。

これを考察すると、一応、普段は直接布団に触れない腰から下が全部はだけてしまい、それがパリッと糊の利いたシーツにスレスレするため、なんかいつもと違って変だな、という気持ちになるからとも考えられる。しかし、それだと夏場パンツ一丁で寝ているわたくしとしては説明に窮する。ヒントは、浴衣という着衣の形状とシチュエーションにあると思われる。すなわち、浴衣を体全体に巻きつけてプロテクトをし、帯までギュッと締めて「もう大丈夫」と思ったのに、寝てる間にアッサリと腰紐一本になってしまってスレスレする、という極端な落差が「ほぼ全裸感」の原因と思われる。初めからパンツ一丁だと落差もへったくれもないので、むしろ浴衣より全裸度が高いにも関わらず、そうと認識しないのだろう。

さっきシチュエーションと言ったが、この緊縛と解放という浴衣の落差機能は、文学においても活用されている。すなわち、浴衣とは、外部からはプロテクト感が極めて強固に見えるものの、意に反さない要求と行動があると、実にアッサリと内容開示されてしまうという性質を有している。要するにいざその気になるとすぐに脱げてしまうというだけだが、このあたりが渡辺淳一氏の小説で愛用される所以でないかと考えられる。もっとも、読んだことないので愛用されているかは確認できないが、「50男が30位の艶っぽいが理知的なおねえさんと京都でハモ食べて旅館で浴衣着て差し向かって無言だが情念ほとばしる」というのが、氏に対するわたくしのイメージだ。男のハーレクインという感じか。そこでは、浴衣とは世間と禁忌との境目を形成する薄布であり、強固に見えつつ解放の欲求を内包し、かつ深層では受容許諾しているという、実にもうややこしい日本的なバランスが成立しているのである。同じ解放でも、金髪ビキニとは重さも深さも自ずと違う性質のものである。

その2 「対馬」はなぜ「つしま」なのか?

暖流の黒潮の支流が日本海に入ると細い対馬海流となる。日本海海戦のときは、バルチック艦隊がこれに乗って勇躍北上したものの、待ち受けた日本艦隊に迎撃され全滅の憂き目にあっている。が、中学の頃から「対馬」を見るたび、なんで「つしま」なんだ、と思っていた。「対」は「つい」だから、「つ」は許すが、「馬」はどうひねくっても「うま」としか読めないじゃないかッ! ていうか「しま」と「うま」じゃ意味が違いすぎて取替え不可能じゃないかッ! 「岩かなんかが2頭の馬が並んでるように見えたんで、そういう名前にしました」っていうんなら「対馬島」でしょうが。本当は「島」と「馬」の字が似てるから、名前付ける役人が間違えたんじゃないのか、それが正式に登録されたんじゃないのか?という気がする。ちなみに、「指宿(いぶすき)」にも同じ疑問を持っていたが、よくよく考えると、こちらは「ゆび」「しゅく」で音が近いうえ、特に強引な当て字もないので、また理解の範囲内だった。

以前、家裁で読みにくい名前の登録が認められるかという勉強をしていて、「光星」ちゃんという名前を「すぴか」ちゃんと読ませてよいかという事例があった。たしか認められなかった例だったと思う。だが、もはやここまでくると、言わんとしていることは理解出来るものの、漢字と読みの関係はメタメタである。「鈴木周」と書いて「いいおとこ」とか「まっちょまん」とか読ませるようなもので、一生ルビ振りの人生を送ることになり、本人も大変なんじゃないかと思う。

なお、漢字と読みの乖離という問題とはちょっと違うが、その勉強の中で、「色魔」と書いて「しかま」さんという人が、名前の変更を申し出たという事例があった。確か認められたんじゃないかと思う。ご本人には大変にシリアスな問題であろうが、傍から見た第三者は「大変だな」と思いつつも笑ってしまうのも事実である。改名が認められてよかったですね。しかし、まあ、なんというか、色魔さんのご先祖様が、江戸から明治に変わる頃、どうしてそのような苗字を選択したのか、なんで「鹿間」ではダメだったんでしょうか、と聞いて見たい気はする。

その3 バナナに乗って転んでる人を見たことがあるか?

わたくしは未だに見たことはない。知人友人で転んだという人も聞いたことがない。そもそも道路にバナナの皮が落ちているのを見たことも、多分2回くらいしかない。もっと言うと、嬉しくて悲鳴を上げている人も見たことはない。しょっちゅう競馬場に行き、何万人というファンの中で配当の発表を聞いているが、何十万馬券を当てようと、ムンクの叫びみたいに両耳に手をあてて「キャー」と叫ぶ人などいない。

こういった、社会において典型例であると思われていることが、実は全然違うというものは多い。世の中の人は、訴訟のときには、原告と弁護士がゾロゾロ列を作って裁判所に入るものと思っているだろうが、事務所も駅も地下鉄の出口も違う弁護士が、たまたま「アレ? 奇遇ですねえ。」とか言って、一列で裁判所に入るわけないでしょう。普段はバラバラに来て、法廷か1階ロビーに集合するんですよ。あれはテレビ用に、いっぺん裁判所前に集合して、カメラさんが「はい、じゃ地下鉄1番出口からお願いしまーす」とか手を振って、そんじゃ行くかとみんなでゾロゾロ歩いて、門をくぐったところで「はいご苦労様」というものなのですよ。多分、地検特捜部のハコリレーも、一旦押収したものを玄関に積んで、「はい、じゃ、積み込みまーす!」ということでカメラが回っている中をワッセワッセとやるんだと思う。だって、そうじゃなかったら、箱に詰めたのから三々五々出て来るはずで、ポツポツとしか来ないでしょう。清流のやな場が、いつもは滅多に鮎なんか上がらないのに、景気よくバシャバシャ流してCM撮影するようなもんじゃないでしょうか。こういったイメージと実態の相違というのは、きっとどの業界でもあることなのだろう。

そのほか、いろいろ疑問もあったような気がするが、どうもうまく思い出せない上、随分書いたので、また機会を改めてご紹介したいと思う。

 

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